教育委員会の施策の報告が市議会でありましたので、こちらにお知らせします。
『令和6年度の教育施策の基本方針を「個性を尊重し、互いに学び合う学校教育並びに生涯学習の推進」とし、施策を展開していきます。
第一の基本目標は、「確かな学力と豊かな心、健やかな体を育み、子ども一人ひとりがいきいきと輝く魅力ある学校づくりの推進」です。
一つ目の重点は、「学校教育環境の充実」です。
はじめに、安心して快適に学べる教育・学習環境の充実です。
布佐中学校区の児童生徒にとって、地域の特性に応じた最適な学習環境となる学校の在り方について検討するため、令和4年度に「我孫子市布佐中学校区の学校の在り方検討委員会」を設置しました。検討委員会は、布佐中学校区の学校の規模及び配置の適正化や小中一貫教育の推進に関しての検討を任務とし、令和4年度から5年度にかけて、先進事例や布佐中学校区の現状視察などを実施し、小中一貫教育のより一層の推進と、少子化などの様々な教育課題を解消できる適切な施設形態について議論を重ねました。その結果、検討委員会として「布佐小学校、布佐南小学校、布佐中学校の3校を施設一体型小中一貫校とすることが望ましい」という結論を出し、令和6年2月13日に提言書を受理しました。今後は、教育委員会と市長部局とが連携して提言書を基に準備を進めていきます。
次に、現在、市内全小中学校に設置しているプール施設は、老朽化が進んでいます。水泳指導の民間活用については、令和3年度に湖北台東小学校をモデル校として民間施設の活用を開始しました。児童生徒の泳力向上や熱中症対策、施設維持管理費との費用対効果などが期待できることから順次、委託校数を増やし、令和6年度は小学校11校の水泳指導を委託予定です。令和7年度には残りの小学校2校も加え、小学校全校の委託を目標としています。
次に、信頼される学校づくりの推進、教職員の意識高揚を図る職場環境づくりについてです。「我孫子市小中学校職員の働き方改革推進プラン」を令和4年4月、「部活動の在り方に関するガイドライン」を令和5年5月に一部改訂し、教職員の働き方改革推進に努めてきました。
今後も児童生徒と向き合う時間を確保できるよう教職員の多忙化解消に努め、信頼される学校づくりに取り組んでいきます。
二つ目の重点は、「子どもがいきいきと輝く学校づくり」です。
まず、確かな学力の育成です。学校におけるICTの効果的な活用については、引き続き、タブレット型端末を活用した学習や情報モラル教育を進め、児童生徒の発達段階に応じた情報活用能力の育成に取り組んでいきます。令和7年9月末に市内小中学校のICT環境整備に係る第1次教育ICT業務委託の契約が終了となります。今後は、現在のICT環境を更新するため、第2次教育ICT業務委託に向けた準備を行います。教育データ利活用や校務DXによる働き方改革等を踏まえ、令和6年度は、補助金等を活用し、児童生徒用の学習用端末の調達を行うとともに、令和7年10月の運用開始に向けて、事業者を選定し、契約を締結する予定です。
次に、幼児教育と小学校教育との連携・小中一貫教育の推進です。幼児教育と学校教育の接続を重視した幼保小連携の推進については、「我孫子市幼保小連携・接続カリキュラム」を通じて、幼稚園、保育園、認定こども園と小学校の交流活動や目指す子どもの姿を共有しながら、育ちや学びの接続を図っていきます。
小中一貫教育の推進については、平成25年度から「小中一貫教育の研究・推進」に取り組み、平成31年度から全ての中学校区で小中一貫教育を実施しています。令和4年度より教育委員会から任命された保護者や地域住民の方々が、一定の権限と責任を持って学校運営に参画する仕組みとして、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)がスタートし、市内全小中学校に学校運営協議会を設置しています。引き続き、小中一貫教育とコミュニティ・スクールの一体的推進を目指し、学校運営協議会が承認した中学校区ごとの小中一貫教育基本方針に基づいて、学校運営を行っていきます。
続いて、地域とともにある学校づくりです。コミュニティ・スクールを通して、学校と地域が子育ての目標やビジョンを共有し、パートナーとして連携・協働を図ることで、地域に根ざした教育の充実を目指します。また、学校と地域の教育支援活動をつなぐため、市内全小中学校に地域学校協働本部を置き、地域学校協働活動推進員を配置しています。社会教育団体を含めたボランティアネットワークを構築するとともに、学校と地域の双方向から連携・協働できる体制を整備していきます。
中学校の部活動については、教職員の働き方改革や少子化対策等、さまざまな課題を踏まえ、生徒がスポーツや文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保できるよう、部活動改革に取り組んでいきます。休日の中学校部活動の地域移行に向けた取組の一環として、令和5年度から、市内5つの中学校に14名の部活動指導員を配置しました。令和6年度は部活動指導員を増員する予定です。円滑な地域移行に向けて、地域と学校の連携を強化するとともに、移行後の指導者の人材発掘・確保と育成を進めていきます。
次に、長期欠席児童生徒対策事業についてです。不登校児童生徒への対応は、喫緊の課題です。個々の状況は異なるため、支援に当たっては、児童生徒と保護者の意向を確認し、実態に合った教育を支援していく必要があります。
校内教育支援センターは、登校できるが、在籍する学級での教育活動に参加することが難しい児童生徒が利用しています。なかには、在籍する学級と行き来したり、教室復帰を果たしたりした児童生徒もいます。現在、校内教育支援センターは、全中学校6校と小学校3校(湖北小学校、並木小学校、新木小学校)に設置されています。将来的には市内19校全てに設置し、不登校対策の核となるべく、校内教育支援センター指導員の確保に努め、子どもたちの学びの機会を広げていきたいと考えています。
引き続き、心の教室相談員やスクールソーシャルワーカー等、専門スタッフによる学校のサポート体制を強化し、長期欠席児童生徒の解消に取り組んでいきます。
次に、いじめ問題への対応です。いじめは絶対に許されない行為であり、どの子どもにも、どの学校においても起こり得るものであることを十分認識するとともに、集団の中で子どもたちがお互いの個性を認め合えるよう継続的に指導しています。
いじめの防止及び早期発見・早期解決を図るため、「我孫子市いじめについてのアンケート」を年2回実施するとともに、小学校3年生から中学校3年生までを対象として「WEBQU(子どもたちの学校生活における満足度と意欲、学級集団の状態を調べることができるアンケート)」を実施しています。さらに、学校への支援として、アンケート結果等に基づき、指導主事や教育相談センター職員などを派遣し、児童生徒の観察や学校へのアドバイスを行っていきます。児童生徒や保護者から寄せられるさまざまな悩みに寄り添うとともに、全ての児童生徒が安心して生活し、健やかに成長することができるよう、環境整備に向けた検証と改善を行っていきます。
三つ目の重点は、「子どもの成長に応じた発達への支援」です。
一人ひとりの状況に応じたきめ細かな支援体制の構築と教育相談・支援体制の充実を図ります。
帰国・外国人児童生徒への支援体制の整備については、対象児童生徒の増加に伴い、令和6年度は、通訳の派遣や日本語指導等の支援体制を更に強化していきます。
また、今年度から配置された言語聴覚士を活用し、言葉や聞こえに課題や不安のあるお子さんを支援していきます。
次に、特別支援教育の推進についてです。教育相談センターでは、特別な配慮を必要とする就学予定の児童生徒に対し、適正な就学の支援を行うため、本人の状態、保護者の意向や学校の状況、医師や心理学等専門的見地からの意見を踏まえ、教育支援委員会を中心に総合的な観点から就学先を決定しています。
就学後においても一貫した支援を行うため、児童生徒一人ひとりに合わせた個別支援計画等を作成するとともに、特別支援教育アドバイザーを配置し、引き続き、学校全体で支援体制の強化を図っていきます。
第二の基本目標は、「市民が地域の自然や文化に愛着を持ち、豊かな人生を送ることができる環境づくりの推進」です。
一つ目の重点は、「生涯学習環境の充実」です。
学びたいときに学べる学習機会の充実を図るとともに、人づくり・まちづくりにつながる学習活動を支援していきます。また、公民館、鳥の博物館、図書館などの学習施設について整備と充実に取り組んでいきます。
市民の学習活動を支える体制の整備として、図書館では、令和6年度からスタートする「我孫子市子どもの読書活動推進計画第二次」に基づき、子どもの読書活動について、より一層の推進を図ります。
また、秋以降には電子図書館を導入し、児童生徒の調べ学習に役立つ取組を進めるとともに、新たな利用者層の拡大に取り組んでいきます。
二つ目の重点は、「歴史文化財の保存・継承と文化の振興」です。
文化芸術活動への支援と環境整備については、市民文化団体との連携を図り、市民の自主的な文化芸術活動を支援していきます。伝統文化や郷土芸能を次世代へ継承するため、体験を通じて文化を身近に感じてもらい、興味を持つ入口となるよう「みんなの文化体験会」や「郷土芸能体験教室」を実施しました。また、文化祭・音楽コンサート等、市民が文化芸術活動に積極的に参加できるよう活動や発表の場を提供するとともに、舞台鑑賞事業等を通して、子どもたちが舞台芸術に触れる機会の充実を図り、文化芸術活動が発展していくための環境を整備していきます。
歴史的・文化的遺産の整備・活用では、「我孫子市文化財保存活用地域計画」に基づき、旧井上家住宅や白樺文学館、志賀直哉邸跡書斎、杉村楚人冠記念館など市内の史跡や文化財により親しみを持っていただけるよう保存活用を進めていきます。
埋蔵文化財や歴史資料の調査・研究では、市内に所蔵されている古文書や民具などの資料調査を進め、データベースとして順次公開し、活用していきます。
三つ目の重点は、「スポーツの振興」です。
生涯スポーツの推進では、令和4年度に策定した「我孫子市スポーツ推進計画」に基づき、スポーツ推進委員等と連携し、7つの総合型地域スポーツクラブの育成と支援を行うとともに、生涯スポーツを支えるスポーツ指導者の養成に努めます。
また、休日の中学校部活動の地域移行については、我孫子市部活動地域移行検討委員会にてスポーツ関係団体、文化関係団体等と意見交換しながら、一部の部活動においてモデルケースとして地域移行することを目指し、引き続き進めていきます。
スポーツを楽しむ機会の充実では、初心者から上級者まで、年齢を問わず一緒に楽しめるランニングイベント「手賀沼チームラン・キッズラン うなきちカップ」をはじめ、ファミリースポーツテスト、ボールゲームフェスタ等、スポーツに親しめる機会の創出に努めていきます。
やはり、今回は布佐中と布佐小学校、布佐南小学校を一体として小中一貫校にするという発表がサプライズでした。
他の団体が絶対反対と動いていましたが、現実的に有識者の意見が一貫校にするという意見にまとまったようです。
これから、市議会でもこの問題について話し合っていきます!!